七色の澄泥硯について
鱔
魚
黄
魚
黄
緑
豆
沙
豆
沙
蝦
頭
紅
頭
紅
魚
肚
白
肚
白
玫
塊
紫
塊
紫
蟹
殻
青
殻
青
朱
沙
沙
種類
澄泥硯の最大の魅力としてあげられるは、色彩の豊かさである。その色彩に応じて、澄泥硯は様々な種類に識別される。
色彩 | 種類 | 呼び方 |
---|---|---|
黃 | 鱔魚黄 | ぜんぎょおう |
緑 | 緑豆沙 | りょくとうさ |
紅 | 蝦頭紅 | かとうこう |
白 | 魚肚白 | ぎょとはく |
紫 | 玫塊紫 | まいかいし |
青 | 蟹殻青 | かいかくせい |
朱 | 朱沙 | しゅさ |
中でも最上のものとされるのが、鱔魚黄(ぜんぎょおう)である。また、どの種類も独特な色彩を有しており、その鑑賞価値を高めているといえる。
鱔魚黄
鱔魚黄(ぜんぎょおう)は、海蛇の背から腹にかけた部分を見るような赤黄色の澄泥硯をいう。鱔魚黄といっても、その色の幅は広く純黄のものから褐黄のものまである。黄色を基調としたものを鱔魚黄とよび、澄泥硯の中でも最上のものとされる。
緑豆沙
緑豆沙(りょくとうさ)は、黄色に緑色の細かい砂をまじえた澄泥硯をいう。
蝦頭紅
蝦頭紅(かとうこう)は、茹でた蝦(エビ)の頭を見るような紅赤色を呈した澄泥硯をいう。その中で良質なものは、唐や宋の時代の古硯に見られる。やや淡い紅赤のものと、濃い紅赤のものとがある。中には、黒い魚子紋が散財しているものもある。
魚肚白
魚肚白(ぎょとはく)は、魚のはらわたをみるような白色の澄泥硯をいう。白色といっても、やや淡紅を帯びている。
玫塊紫
玫塊紫(まいかいし)は、玫塊を見るような赤紫色の澄泥硯をいう。玫塊紫澄泥硯は、唐の時代からあったが、鱔魚黄や蝦頭紅に比べると遺例は少ない。清の時代ごろにも玫塊紫澄泥硯は作られており、面上に黒い魚子紋が現れるのが特徴である。
蟹殻青
蟹殻青(かいかくせい)は、生きた蟹(カニ)の殻を見るような青黒色の澄泥硯をいう。青黒一色のほか、黒い魚子紋が散財しているものや褐黄色をまじえたものもある。
朱沙
朱沙(しゅさ)は、榴子(ざくろ)を見るような目が覚めるほどの朱色の澄泥硯をいう。