墨の基礎知識
原材料、作り方および種類
墨は、まず煙煤と膠をよく練り合わせ、麝香などの香料を加えたのち、木型に入れて形を作る。形ができたら、木型から取り出して乾燥させて作る。また、煙煤の種類の違いにより墨は、「松煙墨」と「油煙墨」に大別される。解説ページはこちら。
唐墨について
墨のなかでも中国製の墨を「唐墨(とうぼく)」という。「徽墨」と称されるように、中国では宋時代から明、清時代まで中国の製墨業が徽州(安徽省屯渓市)に集中し、多くの墨匠を輩出している。また、一般的に唐墨は墨の寿命が長く、時間とともに厚みや味わいが出てきて、古墨としての価値が高くなる。解説ページはこちら。
唐墨の歴史
中国において墨の存在は、殷代後半期にまで遡ることができる。以来、各時代において、墨匠達によって中国各地で製墨が行われてきた。なかでも、清の乾隆帝時代の「四大家」(曹素功、汪近聖、汪節庵、胡開文)が有名であり、今日まで影響を与えている。
和墨
和墨について
墨のなかでも日本製の墨を「和墨(わぼく)」という。唐墨と比較して墨の寿命が短いといわれる。飛鳥時代に高麗の僧侶曇徴によって日本に墨の製法が伝来されて以来、奈良をはじめ、丹波、播磨、太宰府、紀州などで製墨が行われてきた。現在、和墨は奈良と鈴鹿が二大産地である。解説ページはこちら。
和墨の歴史
墨の製法の日本伝来は、推古天皇の時代に、高麗の僧侶曇徴が来朝して伝えたということになっている。以来、日本各地にて製墨が行われた。なかでも室町時代末期に初代松井道珍によって開業された古梅園の功績などにより、奈良において墨業が発展する。解説ページはこちら。